キャンプの醍醐味といえば、やっぱり豪快で美味しいキャンプ飯ですよね。
そんなアウトドア料理の主役といえばダッチオーブンですが、「鉄製の重い鍋は手入れが大変そう」と二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。
私も最初はそうでした。かつて鋳鉄製のモデルを使っていたのですが、使うたびに繰り返すシーズニングや、サビとの戦いに疲れてしまい、一時期はダッチオーブンから遠ざかっていたのです。
そんなズボラな私を救ってくれたのが、ステンレスダッチオーブンでした。
この記事では、なぜこの調理器具がキャンプ初心者の方にぴったりなのか、長年使い込んできた私の目線から、その理由と選び方のコツをお伝えします。
そもそもダッチオーブンで料理が美味しくなる理由
普通の鍋とダッチオーブンで、仕上がりにこれほどの差が出るのはなぜでしょうか。
それは、蓋の重さと金属の厚みに秘密があります。
重厚なダッチオーブンは火にかけることで鍋の内部に適度な圧力がかかり、さらに加熱すると水分が蓋と本体の隙間を密閉して、素材の旨みを逃がさない状態を作り出します。
この圧力と優れた気密性のおかげで、野菜は甘く、お肉は芯からふっくらと柔らかく仕上がるのです。
上下から炭火で加熱すれば、まさにオーブンのような役割を果たしてくれます。
ローストチキンやピザといった憧れのキャンプメニューも、驚くほど手軽に楽しむことができます。
初心者にステンレス製のダッチオーブンをおすすめする5つの理由
鉄製(鋳鉄製)のダッチオーブンはアウトドアの雰囲気が抜群ですが、維持管理にそれなりの覚悟が必要です。
一方で、ステンレス製はそうしたハードルをことごとく取り除いてくれます。
具体的にどのようなメリットがあるのか、5つのポイントに分けてお話ししますね。
シーズニングという慣らし作業がまったく不要
鉄製の鍋を新しく購入した場合、まずはサビ止めのワックスを洗い流し、何度も油を塗って焼く「シーズニング」を行わなければなりません。
しかし、ステンレス製ならその面倒な作業は一切不要です。
買ってきたら、家庭用の食器用洗剤で軽く洗うだけで、すぐに調理を始めることができます。
使った後も、ただ洗うだけでサビ防止の油を塗る必要がありません。
思い立ったらすぐに使えるこの手軽さは、準備や設営に追われる初心者キャンパーにとって、本当に心強い味方になります。
残った料理を翌日までそのまま鍋に保存できる
キャンプで料理をたくさん作りすぎて、余ってしまった経験はありませんか。
鉄製の鍋だと、料理を入れっぱなしにすると一晩でサビが発生したり、食材に鉄の味が移ってしまったりします。
そのため、食後はどんなに疲れていても、残った料理を別の容器に移し替えて鍋を洗わなければませんでした。
ステンレス製であればサビの心配がないため、余ったカレーやおでんを鍋に入れたまま翌朝まで置いておくことができます。
翌朝、そのまま再び火にかけて温め直すだけで朝食が完成するので、本当に気が楽です。
洗剤と金属たわしでガシガシ丸洗いできる
鉄製のダッチオーブンは、馴染んだ油の膜を落とさないために「洗剤の使用はNG」とされています。
そのため、焦げ付きを落とすのにもお湯を沸かしてヘラでこそぎ落とすなど、かなりの手間がかかりました。
その点、ステンレス製は普段使っているキッチンの鍋と同じ感覚で、中性洗剤とスポンジで綺麗に洗うことができます。
もし頑固なコゲができてしまっても、水に浸けておけば簡単に落ちますし、最悪の場合は金属たわしでゴシゴシこすっても問題ありません。
傷がついても空気中の酸素と化合して、表面に自然と保護膜が再生されるため、神経質にならずに扱えます。
衝撃や急激な温度変化に強く割れる心配がない
鋳鉄製の鍋は頑丈そうに見えますが、実は衝撃や温度変化にデリケートな一面を持っています。
熱々の鍋に冷たい水をかけると、その温度差でパキッと割れてしまうことがあるのです。
また、うっかり地面に落とした衝撃で破損してしまうケースも珍しくありません。
ステンレス製のダッチオーブンは非常に強度が高く、衝撃や温度差で割れる心配がほぼありません。
調理後に冷たい水を注いでもへっちゃらなので、手荒に扱っても応えてくれる安心感があります。
油膜がないので白米や汁物もすっきり美味しい
洗剤を使えない鉄製の鍋は、どうしても以前調理した油の匂いやワックスの香りが鍋肌に残りがちです。
そのため、白米を炊いたりお味噌汁を作ったりするときに、少し抵抗を感じる方もいらっしゃいます。
ステンレス製は洗剤で完全に油汚れをリセットできるため、油が浮くこともなく、繊細な和食や白米もすっきり美味しく炊き上がります。
「おうちのご飯と変わらない美味しさ」をアウトドアでも気気兼ねなく楽しめるのは、想像以上に快適なポイントです。
気をつけたいステンレスダッチオーブンの注意点
もちろん、良いことばかりではなく、ステンレス製ならではの弱点もあります。
納得のいく買い物をするために、次の2点も頭に入れておくと良いでしょう。
鋳鉄製に比べてお値段が張る
もっとも大きなハードルになるのが、購入時の初期費用だと思います。
メーカーにもよりますが、リーズナブルな鉄製のダッチオーブンに比べると、ステンレス製は3〜4倍ほどの価格になることもあります。
初期投資としては少し勇気がいる金額ですが、その後のメンテナンスにかかる時間や、何十年も一生物として使える耐久性を考えれば、個人的には十分に価値があるかなと感じています。
鍋を「育てる」というロマンはない
鉄製のダッチオーブンを長年使い込み、油が馴染んで真っ黒にツヤ光りした状態を「ブラックポット」と呼びます。
キャンパーの間ではこの状態に育てるプロセスがロマンとされていますが、ステンレス製にはその楽しみがありません。
いつまでもピカピカとシルバーに輝くため、無骨でクラシックな道具感を重視したい方には、少し物足りなく映る可能性があります。
迷ったらここから選ぶ!愛好家おすすめの2大ブランド
ステンレス製のダッチオーブンを選ぶなら、信頼できる日本のブランドから選ぶのが間違いありません。
現在、圧倒的な人気を誇る2つのメーカーをご紹介します。
SOTO(新富士バーナー):抜群の蓄熱性とタフさを持つ王道
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まず名前が挙がるのが、新富士バーナーが展開するアウトドアブランド「SOTO」です。
こちらのステンレスダッチオーブンは、1枚の極厚なステンレス板をプレスして作られており、肉厚で抜群の蓄熱性を誇ります。
一度温まると本当に冷めにくく、無水調理や煮込み料理にはこれ以上ない実力を発揮してくれます。
ラインアップも豊富で、自分のスタイルに合ったものを選びやすいです。
・8インチ(ST-908)
外形サイズ幅310×奥行226×高さ125mm、重量約3.5kg、満水容量2.6L、価格22,000円(税込)。
夫婦でのキャンプや、自宅でちょっとした煮込み料理を作るのにちょうど良いサイズ感です。
・10インチ(ST-910)
外形サイズ幅365×奥行280×高さ160mm、重量約5.2kg、満水容量5.0L、価格24,750円(税込)。
3〜4人のファミリーキャンプに最適な、まさに中心となる定番サイズです。
・12インチ(ST-912)
外形サイズ幅415×奥行326×高さ165mm、重量約7.0kg、満水容量8.0L、価格29,700円(税込)。
丸鶏を豪快に焼くローストチキンや、大人数でのグループキャンプで大活躍します。
いずれのモデルも、家庭用のガスコンロやIHクッキングヒーター(100V・200V)に対応しているため、普段使いの万能鍋としても重宝しますよ。
TSBBQ(山谷産業):軽さと熱伝導性を極めた燕三条の傑作
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ものづくりの街、新潟県燕三条の山谷産業が手がけるブランド「TSBBQ」のダッチオーブンも素晴らしい製品です。
こちらは世界で初めて、ステンレスの間に熱伝導に優れたアルミを挟み込んだ「三層鋼」を採用しています。
オールステンレス製のデメリットであった「温まるまでに時間がかかる」「底面だけ熱が集中しやすい」という点を、見事にクリアしています。
熱が均一に側面まで素早く伝わるだけでなく、重量がオールステンレス製より約20%、鋳鉄製に比べて約30%も軽いのが最大の特徴です。
ソロキャンプで使いやすい「ライトステンレスダッチオーブン 6インチ」(価格14,300円・税込)から、定番の8インチや10インチまで揃っており、荷物を少しでも軽くしたい方に一押しの選択肢です。
つるが脱着式になっているなど、細かい使い勝手への配慮が行き届いているのも燕三条ブランドならではかなと思います。
実際の愛用者から見えるステンレス製ダッチオーブンの評判
実際に使っている方々の間でも、その手入れの手軽さは高く評価されているようです。
「これに変えてから、キャンプの撤収作業が劇的に楽になった」という声を非常によく耳にします。
特にファミリー層からは、「余った料理をそのまま鍋ごと持ち帰って、家で温め直すだけで夕飯にできるのが最高」という実用面での喜びが多く見られます。
一方で、やはり「鋳鉄製のあの重厚な雰囲気や、少しずつ鍋が黒くなっていく感覚が恋しくなる」という意見もあり、ここは好みが分かれる部分だと思います。
ただ、実用性を何よりも重視するズボラな私にとっては、今のところこれ以外の選択肢は考えられないほど気に入っています。
ステンレスダッチオーブンと一緒に揃えたいお役立ち道具
ダッチオーブンをより安全に、そして快適に使うために、一緒に用意しておくと便利なアイテムをいくつか紹介します。
リッドリフター
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熱せられた重い蓋を持ち上げるための金属製の道具です。
布製の鍋つかみだとススや油で汚れてしまいがちなので、リフターが1つあると重宝します。
純正品もおしゃれですが、私は価格を抑えるためにキャプテンスタッグのリッドリフター(30cm)を愛用していますが、まったく問題なく使えています。
タフまる
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イワタニから発売されている、耐荷重に優れたカセットコンロです。
一般的な家庭用コンロでは重いダッチオーブンを載せるのが危険な場合もありますが、こちらは頑丈で風にも強いため、炭火を起こすのが面倒なときの調理に大活躍してくれます。
専用の収納ケース
持ち運ぶためのバッグは、ぜひ専用の頑丈なものを用意することをおすすめします。
鍋自体がかなりの重量物なので、代用のバッグだと持ち手がちぎれてしまう恐れがあり危険です。
リッドリフターなども一緒にすっきりまとめられるケースがあると、移動時も安心できます。
ステンレスダッチオーブンで広がるキャンプ飯の世界
手入れが簡単なステンレスダッチオーブンが一台あれば、キャンプでの料理がぐっと気楽で楽しいものに変わります。
最初にお話しした通り、食材を放り込んで火にかけるだけのシンプルな調理でも、驚くほど本格的な味に仕上がるのがこの鍋の素晴らしいところです。
まずは丸鶏とお野菜を敷き詰めてじっくり火を通すローストチキンや、シンプルなポトフから挑戦してみるのがおすすめです。
完璧な道具を買い揃えることだけがキャンプの正解ではありません。
自分にとって「これなら無理なく使い続けられる」という相棒を見つけることこそが、長くアウトドアを楽しむコツだと思います。
次の週末は、ピカピカのステンレス製ダッチオーブンを車に積み込んで、美味しいキャンプ飯をのんびり楽しんでみてはいかがでしょうか。
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